子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき…大切にすること

 

 

「子どもが学校に行きたくないと言っています。」と

そのようなお話がありました。

 

学校に行きたくない…と言われると、

母親としては心揺れますよね。

 

何があったの?と、

お子さんにその理由を尋ねることもあるでしょう。

 

先生に何か言われたのか?

お友達と何かあったのか?

 

気になること、

心配になることもあると思います。

 

けれどもここで、

大切なことは、

 

お休みしたい理由、

また行きたくない原因、

 

それらを突き止めようとしすぎないことです。

 

 

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子どもはストレス、というものが

よくわかりません。

 

大人は疲労や、

周囲の環境、状況から、

 

ストレスがかかっているな、と

ある程度、自覚することができますが、

 

子どもはまだ

そうしたことを自覚することがなかなかできません。

 

こういう状態が疲労である、

こういう状況がストレスである、

 

そう自覚し、

それを言葉にできるようになるのは

10歳を過ぎたあたりではないかと感じています。

 

子どもも何の理由もなくて

学校をお休みできないことはわかっていますから、

何かしらの理由を探します。

 

「学校に行きたくない。」と

その気持ちは嘘偽りないのですが、

 

お休みするための理由が、

あいまいであったり、

あやふやであったりすることがあるのです。

 

何か休むための大義名分、

休めるだけの、確固たる理由、

 

それがないとお休みできない、と

それはよくわかっているので、

休むための理由を探します。

 

それが、

「先生に怒られて嫌だから。」とか、

「友達に嫌なことされた。」とか、

 

何かしら、子どもの毎日、

エピソードの中で、嫌だったことを思い出し、

 

それを休みたい理由として、

子どもの中で確立させ、伝えることがあります。

 

大人はそれらの理由を解決すれば、

学校に行けるのだな、と判断をしますから、

 

「先生に言ってあげるから。」

「お友達に嫌なことしないように言えばいいよね。」等と、

 

その嫌なことを

解消、解決する、策を考えます。

 

けれども子どもとしては、

その解決を心底、望んでいるかと言えば、

そうではないこともあるのです。

 

確かに、

解決してほしい場合も実際あります。

 

何かにつけ、よく叩いてくる子がいて、

その子が嫌だから、と言って

登校を渋っていた女の子もいました。

 

その部分を解決することで、

気持ちよく登校できるようになることは

とても大切です。

 

けれども中には、

そうした具体的な理由もないけれども、

 

なんだか学校に行きたくないな、と

その気持ちが湧きあがってくる、

そうしたときもあるのです。

 

 

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大人も月曜日の朝などは、

今日からまた仕事か…と少し気落ちするように、

 

子どもも、明確な理由はなくても、

なんとなく、今日は行きたくないな…と

そう感じる日もある、ということ。

 

疲労がたまっているな、とか、

ストレスを感じているな、とか、

そうした自覚はなかなかもてませんから、

 

何か休むための嫌なこと、

休むための理由を探して、

親に伝えることがあります。

 

 

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「子どもが学校に行きたくない。」と

そう親に伝えてきたとき、

どのような言葉をかければよいと思いますか?

 

自分に置き換えて、

少し感じてみて下さい。

 

月曜日の朝、

あぁ、今日は仕事に行きたくないなぁ…と

そう言った時に、

 

どのような言葉をかけてもらえたら、

嬉しいでしょうか。

 

気持ちが少し楽になったり、

ホッとしたりするでしょうか。

 

「行きたくない理由は何なの?」

「嫌なことを解決すれば、仕事に行けるでしょう。」

 

求めているのは、

そうした言葉ではないこと、

自分でも感じられるのではないでしょうか。

 

正しい答え、セオリーはこれです、と

言い切れるものはありませんが、

 

まずは「今日は学校に行きたくないのね。」と

子どもの言葉をそのまま、

返してあげることかな、と思います。

 

そして体温を測るとか、

体調の様子を見るなどをしながら、

 

「疲れが少し、たまっているのかもしれないね。」

「気持ちが少し、元気ないのかもしれないね。」

 

「なんだか行きたくないなって

そう思うときもあるものだよ。」と、

 

疲労やストレスを言葉にすることができない、

子どもの心の声を、

 

深刻になりすぎずに、

穏やかに、そう伝えてみて下さい。

 

そのうえで、

行きたくない理由などがあるようでしたら、

耳を傾けてみて下さい。

 

「そんなときもあるものだよ。」という、

大らかな受けとめ方で、

 

ポジティブになりすぎず、

ネガティブになりすぎず、

 

そうした言葉をかけてあげること、

それだけで子どもも安心することがあります。

 

もちろん、いろいろな角度から、

子どもの様子を見通すことが大事です。

 

ただすぐに、

原因は何か、理由は何か、

 

それを取り除けば

学校に行けるだろう、と

 

心配や不安から、

解決策に走りすぎないことです。

 

また、もしかしたら

その言葉を発することで、

 

親の気持ちを自分に向ける、という

そうしたサイン、メッセージが

含まれている可能性もあります。

 

「学校に行きたくないな。」と

そう呟けること。

 

それは家の中だからこそはける

子どもなりの本音や弱音かもしれません。

 

親としては心揺れてしまう

大きな一言ではありますが、

 

まずは、

今日はそんな気持ち、様子であるのだな、と

そのままの姿を受け入れてみて下さい。

 

心配し過ぎず、

深刻になりすぎず、

 

けれども、

子どもの様子、心の状態、

 

それらを丁寧に、

感じてみること。

 

当たり前ですが、

私たち人間はロボットではないから、

気持ちの浮き沈み、

体調の良、不良、

 

なんとなく、言葉にできない気持ち…

そうしたものは誰でもあるものですね。

 

それは子どもも同じこと。

 

受け取る側の大人が、

深刻になりすぎず、また、楽観的になりすぎず、

子どもの様子、気持ちを、

丁寧に感じていくこと。

 

「行きたくないんだね。」と、

同じ言葉で向き合うこと。

 

どの子もみな、安心して、

本音や弱音がはける、

 

お母さんにだったら、

お父さんにだったら、

おじいちゃんやおばあちゃんにだったら、

行きたくないなって、素直に言える…。

 

ありのままを受け入れてくれる、

安心した気持ちでいられる…。

 

そうした場所が、

お家の中にありますように。