親のエゴとコントロール
テーマ:子育て
「親のエゴとコントロール」
ちょっと、ドキッとする言葉ですね。お子さんについてのご相談を聞いていると、
それは親のエゴだな、これはコントロールだな、と一瞬でわかることがあります。
いろいろな親に出会ってきましたが、エゴやコントロールが強い方は、
子育てに対してのストレスも多いです。
頭ではわかっているものの、
気持ちの面でなかなか我が子を受け入れられない。
また子どもに対しての願い、またはストレスが、
自分のエゴやコントロールが原因であるということに、
なかなか気がつきません。
悩みや不安の原因は、子どもの性格や言動であったり、
子どもの友達、交友関係であったり、
学校の先生や塾の先生、運動部のコーチであったり、ママ友であったりと…
子どもを取り巻く人や環境にあると思い、それらが何らかの形で解決することを望みます。
物事を多面的にみることができずに、想像力が乏しいのも特徴です。
(あぁ、ここ、キビシイ表現ですね。すみません。)
エゴやコントロールが強い人がいる反面、
バランスよく上手に子育てする人もいます。
その違いは何なのか、どこにあるのか…。
たくさんの保護者の方と接し、そして自分自身も親となり、
子育てをしていく中でわかったことがありました。
それは、子育ては親自身の『過去の痛み』が掘り起こされるということ。
そして無意識にそれらを回避したり、防御したりしようとすることが、
エゴやコントロールにつながっていく傾向があります。
たとえば、学力に対して劣等感を持っている親は、
子どもの学力に対してアンテナを高く張っています。
言葉は悪いのですが、自分はそこまで勉強をしなかったにもかかわらず…(すみません。)
子どもには幼少期の頃から塾に通わせたり、習い事をさせたりと、
教育熱心だったりします。
(逆にまったく無関心、というパターンもあります。)
私がそれで嫌な思いをしたから…
失敗したと思っているから…
子どもには同じ思いをさせたくない、という親の願いのひとつの表れなのですが、
子どもの様子、実態をよく把握して…という視点が足りない場合が多いです。
表面的には、「子どもがやりたいと言ったので…。」ということですが、
よくよく話を聞いていくと、それは親の勝手な思いやコントロールであり、
その奥には、過去の痛みや失敗、後悔を子どもを通してやり直そうとしているケースが多々見受けられます。
また逆パターンとして、自分ができなかったにも関わらず、(あ、ここもすみません。)
子どもが思っていた以上に優秀だ、できそうだ、と期待をしているパターンもあります。
うちの子、できるのだ♪と嬉しくなって、過度に期待をかけてしまう…というケース。
幼少のころから、習い事を4つも5つもさせている場合は、
ちょっと注意深く見る必要があります。
親のエゴやコントロールを見分けるひとつの目安になるものです。
小学生の習い事としても3つまでが限度ではないかと、
個人的にはそう思っています。
人間関係でつまづいた、傷を負っている親は、
子どもの友達関係などにアンテナを高く張っています。
子どもには、友達と楽しく過ごしてほしい…
いい友人に恵まれてほしい…
我が子のことを好きだというお友達がたくさんいてほしい…
私のように嫌な思いをしてほしくない…
そんな思いから、必要以上に子どもの世界に首を突っ込んで、
結局は親が引っ掻き回してしまうこともよくあります。
そして自分が引っ掻き回していることが、わかりません。
どうしてうちの子はいつも嫌な思いばかりしてしまうのだろう…
お友達とうまくいかないのだろう…と真剣に悩み、
悪いのは友達やその友達の親であり、我が子の周りにはいつも意地悪な子、
自分勝手で強い子がたくさんいる、と感じています。
子育ての様々な場面で、「過去の痛み」が掘り起こされ、それが一番大事な我が子を通じて、
まざまざと見せつけられていくのです。
心がザワザワ、揺れ動かないはずありません。
大事な我が子を守るため、自分にできることならなんでも、必死にやります。
エゴやコントロールが強い親は、『ガード』にエネルギーを注ぐのです。
ぎゅっと手のひらを握りしめ、過去味わった出来事と同じことが我が子に起きないように、
先回りをして守ります。
なかには見栄や虚勢も入り混じって、感情の渦にのみ込まれています。
さらに「ママ友」という小さなコミュニティの中でも、
「過去の痛み」と闘いながら必死にバランスをとっていたりするのですから、大変疲れます。
子どもが小さい頃は、コントロールもききます。
けれども思春期を迎える頃、子どものエネルギーが親を上回る頃には、
もうそれは通用しなくなります。
その頃になると、今度は親の言うことを聞かない、もう手に負えない、
育て方を間違えてしまった…そんな声が聞こえ始めて…。
エゴとコントロールは親として、ある面ではみな普通にあることです。
そして、ある程度健全なエネルギーで、それらに向き合うことができれば、
バランスはとれているといえるでしょう。
大切なのは、自分の中にある「過去の痛み」に気づくこと。
そして、子どもを通して、その痛みを癒すのではなく、
(というか、子どもを通してでは、表面的に癒せても、
根本的には癒せずに、繰り返し浮上してきます。だから、不安や悩みはつきません。)
自分自身の問題として、自分でしっかりと向き合うこと。
親になって、気がつく人いると思います。
自分はもっと愛されたかった、親にこうしてほしかった、
今もまだ自己肯定感が低い、痛みや傷が癒えていない、劣等感がある、
よその子が良く見えて仕方がない、
愛する子どもに嫌悪感や怒りが湧くなんて、親失格だ、
いつもどこかで、自分の子育てを責めていませんか?
最後は結局、私がダメだからなのだと、自分を裁いていませんか?
自分を愛すること、過去の痛みを手放すこと、
子育てを通して、新しい価値観、今まで知らなかった世界を味わうこと、
我が子を愛することを通して、学ぶのかもしれませんね。
数字から見るとよくわかること、実はたくさん、ありますから。